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[解 説] エルコンドルパサーは1995年3月、アメリカのケンタッキーのレーンズエンド牧場にて生まれた。母サドラーズギャルはオーナーの渡邊隆氏がヨーロッパで購入したサドラーズウェルズ産駒で、レーンズエンド牧場はその預託先であった。父キングマンボはミスタープロスペクター産駒。ミスタープロスペクターはアメリカの歴史的名種牡馬でノーザンダンサー系とひと味違う鋭いスピードをその産駒に伝えている。エルコンドルパサーの血統上での特徴は血統表を見れば分かるとおり、同血クロスが複雑に絡み合った独特のインブリードから構成されていることである。これは渡邊オーナー自ら考えた配合で、生産者のT.Watanabe(USA)とは母馬所有者である彼自身のことである。 美浦の二ノ宮敬宇厩舎に預けられ、三歳東京秋開催でデビュー。ダートの新馬、500万と圧勝し、この時点で早くも注目される存在となった。外国産馬でクラシックに出走権のないエルコンドルパサーは四歳春の目標としてNHKマイルカップを選んだ。その最初のステップとして選んだのは共同通信杯四歳Sであったが、折からの降雪でダートに変更されてしまい、芝へ適正は保留されたまま、このレースを圧勝。結局次のニュージーランドT四歳Sで芝での適正は証明され、さらに本番のNHKマイルカップでは4コーナーで外に膨れる不利があったものの、シンコウエドワード以下に完勝。デビュー以来5連勝で春シーズンを終える。 休養中の夏、タイキシャトルがフランスのG1ジャックルマロワ賞を制するという快挙を成し遂げた。これは渡邊オーナーが密かに狙っていたレースで、二番煎じを避けるためには、タイキシャトルを上回るタイトル、世界最高の凱旋門賞に勝つしかないと判断し、エルコンドルパサーは今後、マイルから中長距離へと路線変更を強いられることとなった。 四歳秋の初戦は毎日王冠。このレースには強力なライバルが2頭いてエルコンドルパサーはデビュー以来初めて3番人気に落ちた。その2頭とはその年破竹の連勝を続け宝塚記念を制した快速特急サイレンススズカと、去年の三歳チャンピオンの驚異の怪物グラスワンダーである。これまでエルコンドルパサーには的場騎手が騎乗していたが、彼はグラスワンダーを選び、この後のレースには蛯名騎手が騎乗することになった。レースはサイレンススズカが見事な逃げ切り勝ちで、エルコンドルパサーは初めての敗戦を喫してしまう。しかし外によれながらも2着を確保し、グラスワンダーには大きく先着した。続いてのジャパンカップは未経験の2400mという距離とマイラー血統を嫌われて、スペシャルウィーク、エアグルーヴに次ぐ3番人気という評価であった。しかし結果はエアグルーヴ以下に2馬身半差をつけて圧勝。招待外国馬のレベルが少々落ちていたとはいえ、四歳の日本馬による勝利は史上初であった。この勝利が評価されて、二冠馬セイウンスカイを差し置いて最優秀四歳牡馬に選ばれた。 五歳となったエルコンドルパサーは高額賞金の日本のレースには目もくれず、またJRAから海外大レースの入着馬に支給される報奨金も無視して、フランスに長期滞在し環境に順応させた上で凱旋門賞を狙うことになった。4月にフランスに出発し現地のトニー・クラウト厩舎に預けられた。そして八分のデキで挑んだロンシャンのイスパーン賞(G1)だったが、クロコルージュの2着。しかし次走には十分期待のもてる内容であった。果たして次のサンクルー大賞典(国際G1)ではタイガーヒル以下欧州の強豪馬に対して圧勝。凱旋門賞有力馬にその名乗りを上げた。そして秋、凱旋門賞のステップレースとなったフォワ賞(仏G2)は有力馬が次々と回避して僅か3頭立て。しかしボルジアの追撃を振り切って快勝。一気に凱旋門賞制覇への期待が高まった。凱旋門賞前のロンシャンは記録的な長雨が続き、過去に例のないほどの不良馬場となった。パワーよりもスピードを信条とするエルコンドルパサーには不利な条件であったが、最大のライバルといわれたフランスの四歳馬モンジューは逆に不良馬場を得意としていた。かくしてエルコンドルパサーはモンジューに次ぐ2番人気に支持されて本番を迎える。エルコンドルパサーは最内枠から最高のスタートを切った。包まれるのを嫌って蛯名騎手は逃げ戦法にでた。そして最後の直線、エルコンドルパサーは欧州の強豪馬を引き離しにかかる。しかしエルコンドルパサーに襲いかかってきたのはやはりモンジューであった。必死に抵抗するエルコンドルパサーは差し返しにでたが半馬身までつめるのがやっとであった。凱旋門賞は2着となったエルコンドルパサーだが、極端に悪化した馬場、最内枠、3.5kgの斤量差、そして遠征馬の不利ということを考慮すれば、十二分に賞賛されるべき成績である。 凱旋門賞後は日本国内で出走せずそのまま引退、社台スタリオンにて種牡馬として供用された。しかし2002年7月腸捻転が原因で他界。産駒の評判も上々だっただけに残念であった。 11戦8勝2着3回で連対率100%。しかも4戦の欧州での成績を含めてというから恐れ入る。負けたレースにしても、毎日王冠はこの時点での最強馬サイレンススズカ相手であり、イスパーン賞は海外初戦、凱旋門賞は前述したように負けてなお強しの結果である。これだけの成績を残せたのは、渡邊オーナーの熱意と理解、調教スタッフの地道な努力の他に、何よりもエルコンドルパサー自身の強靱な精神力がそれをなし得たといえるだろう。種牡馬としては僅か3世代の産駒を残すことができなかったが、2006年に菊花賞でソングオブウインド、ジャパンカップダートでアロンダイトがG1を制した。過去の日本調教馬の中でも五指に入る名馬と断言できるが、今のところ顕彰馬に選出されていない。G1馬も輩出したことだし、そろそろ選出されてもおかしくない存在である。 1999/12/26筆 2002/7/22加筆修正 2007/1/14加筆修正
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| 齢 | 日付 | 競馬場 | 競走名 | 距離 | 馬場 | 頭数 | 人気 | 着順 | 時計 | 騎手 | 斤量 | 馬体重 | 1着馬(2着馬) |
| 三 | 1997/11/8 | 東京 | 新馬 | ダ1600 | 良 | 9 | 1 | 1 | 1:39.3 | 的場均 | 54 | 462 | (マンダリンスター) |
| 四 | 1998/1/11 | 中山 | 500万以下 | ダ1800 | 不 | 13 | 1 | 1 | 1:52.3 | 的場均 | 55 | 478 | (タイホウウンリュウ) |
| 〃 | 1998/2/15 | 東京 | 共同通信杯四歳ステークス | ダ1600 | 不 | 9 | 1 | 1 | 1:36.9 | 的場均 | 55 | 478 | (ハイパーナカヤマ) |
| 〃 | 1998/4/26 | 東京 | ニュージーランドT四歳ステークス(G2) | 1400 | 重 | 18 | 1 | 1 | 1:22.2 | 的場均 | 56 | 472 | (スギノキューティー) |
| 〃 | 1998/5/17 | 東京 | NHKマイルカップ(G1) | 1600 | 稍 | 17 | 1 | 1 | 1:33.7 | 的場均 | 57 | 470 | (シンコウエドワード) |
| 〃 | 1998/10/11 | 東京 | 毎日王冠(G2) | 1800 | 良 | 9 | 3 | 2 | 1:45.3 | 蛯名正義 | 57 | 470 | サイレンススズカ |
| 〃 | 1998/11/29 | 東京 | ジャパンカップ(国際G1) | 2400 | 良 | 15 | 3 | 1 | 2:25.9 | 蛯名正義 | 55 | 472 | (エアグルーヴ) |
| 五 | 1999/5/23 | Longchamp (FRA) |
イスパーン賞(仏G1) | 1850 | 重 | 8 | 1 | 2 | 1:53.8 | 蛯名正義 | 58 | --- | クロコルージュCroco_Rouge |
| 〃 | 1999/7/4 | Saint-Cloud (FRA) |
サンクルー大賞典(国際G1) | 2400 | 稍 | 10 | 2 | 1 | 2:28.8 | 蛯名正義 | 61 | --- | (タイガーヒルTiger_Hill) |
| 〃 | 1999/9/12 | Longchamp (FRA) |
フォワ賞(仏G2) | 2400 | 稍 | 3 | 1 | 1 | 2:31.4 | 蛯名正義 | 58 | --- | (ボルジアBorgia) |
| 〃 | 1999/10/3 | Longchamp (FRA) |
凱旋門賞(国際G1) | 2400 | 不 | 14 | 2 | 2 | 2:38.6 | 蛯名正義 | 59.5 | --- | モンジューMontjeu |
| 距離区分 | 戦 | 1着 | 2着 | 3着 | 連対率 | 主な勝鞍 |
| 1400m未満 | 0.000 | |||||
| 1400〜1900m未満 | 4 | 2 | 2 | 0 | 1.000 | 1998NHKマイルカップ |
| ダート1400〜1900m未満 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1.000 | 1900〜2200m未満 | 0.000 |
| 2200〜2800m未満 | 4 | 3 | 1 | 0 | 1.000 | 1998ジャパンカップ 1999サンクルー大賞典 |
| 2800m以上 | 0.000 | |||||
| 芝コース通算 | 8 | 5 | 3 | 0 | 1.000 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ダートコース通算 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1.000 |
| 競馬場 | 戦 | 1着 | 2着 | 3着 | 連対率 | 主な勝鞍 |
| Saint-Cloud(FRA) | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | 1999サンクルー大賞典 |
| 中山 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
| 東京 | 6 | 5 | 1 | 0 | 1.000 | 1998NHKマイルカップ 1998ジャパンカップ |
| Longchamp(FRA) | 3 | 1 | 2 | 0 | 1.000 | |
| 通算 | 11 | 8 | 3 | 0 | 1.000 |
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| Kingmambo 1990 鹿 |
Mr.Prospector | Raise a Native | Native Dancer | Polynesian |
| Geisha | ||||
| Raise You | Case Ace | |||
| Lady Glory | ||||
| Gold Digger | Nashua | Nasrullah | ||
| Segula | ||||
| Sequence | Count Fleet | |||
| Miss Dogwood | ||||
| Miesque | Nureyev | Northern Dancer | Nearctic | |
| Natalma | ||||
| Special | Forli | |||
| Thong | ||||
| Pasadoble | Prove Out | Graustark | ||
| Equal Venture | ||||
| Santa Quilla | Sanctus | |||
| Neriad | ||||
| サドラーズギャル Saddlers Gal 1989 鹿 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | Nearctic | Nearco |
| Lady Angela | ||||
| Natalma | Native Dancer | |||
| Almahmoud | ||||
| Fairy Bridge | Bold Reason | Hail to Reason | ||
| Lalun | ||||
| Special | Forli | |||
| Thong | ||||
| Glenveagh | Seattle Slew | Bold Reasoning | Boldnesian | |
| Reason to Earn | ||||
| My Charmer | Poker | |||
| Fair Charmer | ||||
| Lisadell | Forli | Aristophanes | ||
| Trevisa | ||||
| Thong | Nantallah | |||
| Rough Shod |